リピーター続出!宮崎市唯一の柿の葉すし専門店が新富町の夜市に出店を続ける理由

新富町働く

地元住民にも愛される「柿の葉すし」

「妻が柿の葉寿司が好きなので。」
そう言って子どもを抱っこ紐で抱えたお父さんは、妻へのお土産であろう柿の葉すしを1パック買い、夜市の人混みに消えていった。家族へのお土産として買い求めるお客さんは、皆揃って真剣な表情で商品を選び、明るい店主の笑顔に見送られて家族の元へ帰っていく。

3年ぶりの開催 こゆ夜市

新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい、我慢を強いられた人たちも多い中で、久しぶりにたくさんの人が集まり賑わうことができたこゆ夜市。人々は出店で買い物をしたり浴衣を着たりと思い思いに楽しみ、商店街は笑顔で溢れていた。

今回お話を伺った柿の葉すし坂本は、こゆ夜市が始まった頃から、夜市だけでなく朝市・夕市へも出店を続け、このイベントを見守り続けている。

確かな技術でリピーターを生む柿の葉すし坂本

柿の葉すし坂本が宮崎市内に店舗を構えたのは、今から9年ほど前。奈良県などでは有名な「なれずし」である柿の葉ずしのお店を宮崎で出店すると決めたのは、店主が修業をしていた奈良県橿原市と宮崎市が姉妹都市という縁があったからだそう。

市内で唯一の柿の葉すし専門店として出店し、宮崎では馴染みの薄いなれずし(魚・塩・米を使って自然発酵させた寿司)を販売。来店したお客さんはお店を見つけると吸い寄せられるかのように店に近づいていく。

今回お店に訪れた人の多くは、柿の葉すし坂本の出店を見つけると毎回のように柿の葉寿司を購入する「リピーター」が多く、妻へのプレゼントとして購入した男性もその一人だという。坂本さんは店舗だけでなくイベントにも多く出店し、宮崎県民に柿の葉すしの魅力を伝えている。

ひとつひとつ丁寧に手作業で作られる一品

多くの人を惹きつける柿の葉すし坂本が販売している「柿の葉すし」は、ひとつひとつ手間暇をかけて丁寧に手作業で作られている。本場奈良県から取り寄せた塩漬けの柿の葉を水洗いする。お寿司だからこそシャリにもこだわり、ネタもしっかり酢に漬け時間を置く酢締めや塩をまぶして時間を置く塩締めをすることで水分を抜き、おいしく熟(な)れるように気をつかっている。

それらをひとつずつ柿の葉に包んだあと押し箱に入れて一晩寝かせることでようやく完成する。その工程全てが難しく、こだわりに溢れているそうだ。

どんどん味を変えるなれずし

柿の葉すしはなれ鮨なので、寝かせることで味や食感が変わっていく。その変化を楽しむことも通の食べ方で、好みによっては5日間寝かせた状態で食べる人もいるそうだ。

坂本さんがすすめてくれた美味しい食べ方が、「炙り」。

寿司を炙って食べることはなかなかないが、柿の葉すしは寝かせることでどうしてもシャリから水分が抜けて固くなってしまう。しかし、炙ることでネタの脂がシャリに染みて米が復活し、香ばしい香りも相俟ってより一層美味しくいただくことができる。実際に私も試してみたが、焦げ目のついた柿の葉の香りとネタの脂で風味が増したシャリの柿の葉すしは絶品だった。

柿の葉すしは贈答品としても重宝され、冠婚葬祭の引き出物や手土産、差し入れ、行楽弁当などさまざまな場面で食べられている。冬にはストーブの上で温めて食べることもでき、心までほっこりとあったまるようだ。

地域のチカラ エネルギッシュでパワー溢れる町だから

このこだわり抜いた柿の葉すしを新富町の夜市で出し続けるのには理由があった。それはこゆ朝市に出店をはじめ、新富町の人々と関わったことがきっかけ。

坂本さんは、「新富町の人たちはエネルギッシュでパワーに溢れている。人が集まることに関心がないことも多いが新富の人たちは集まって新しいことをすることに対して大きな関心を持ち、人を引っ張る力を持つ人たちも集まっている。さらに、イベントで人々を飽きさせず内容も盛り沢山の環境を作っていっている。新しいことを作っていくことはパワーがいることだが、それを作り上げようとしていくパワーにあふれた町。」と新富町の魅力を話してくれた。

そんなエネルギッシュでパワーに溢れた新富町の、たくさんの人たちが集まり笑顔になる場所で柿の葉すしをこれからも販売し続け、柿の葉すし坂本も町と一緒にパワーアップしていく。

一般財団法人こゆ地域づくり推進機構

2017年4月に設立した地域商社です。「世界一チャレンジしやすいまち」というビジョンのもと、地域経済の創出に取り組んでいます。主に、1粒1000円の国産ライチのブランディング・販売や、起業家育成塾「児湯シータートル大学」「地域を編集する学校」などを実施しています。

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