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地域の一人として見据えるこれからの農業とは?~ミニトマト生産者 出口清隆さん~

新富町の大持田地区に、ハウスが連なるハウス団地があります。17戸の農家から成るこのハウス団地の中でも、ひと際大きなハウス(なんと高さ3m!)が、ミニトマトを栽培している出口清貴さんのハウスです。中に入ると、見たことがないような背丈に育ち、トマトが鈴なりになっていました。

 

吊り下げ方式にはさまざまなメリットが

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

このミニトマト、樹高は15mにもなるのだそう。1本の木が成長したら横に移動させていき、長い茎がぐるぐると巻き付けられています。ロックウールという石綿の培地に、養水分を液肥として与える養液栽培で、メリットが多いそうです。

「1つ目は、通常の土耕栽培だと夏場に土を消毒したり肥料を入れたりするので、植え付けが遅くなりますが、その必要がないので早く植えられること。2つ目は、上に伸びようとする植物の働きを邪魔しないため、トマトがストレスなく育つこと。3つ目は、土の病害が極端に減ること。砂漠でもできる方法ですよ」。

苗は8月に定植し、約2カ月後から伸びてきた生長点をずらす作業が始まります。日陰をつくる本葉を落とす作業もあります。収穫は9月末頃から翌年7月上旬までと、通常よりも1カ月以上も収穫期間が長いので、その分、収量も多くなるのです。

毎年失敗も成功もするからチャレンジする

トマトは葉っぱの表面、木も実からも水を吸うため、湿度には特に気を遣うとか。環境の変化が一番よくないのだそうです。出口さんは「ハウスの形、場所、外の気温などの違いで、同じ作物を作ってもまったく別のものができる。ハウスによって木の姿も全然違う。その環境に合わせるのが難しいけど、面白いですね」と、楽しそうに話します。

中でも一番面白いのは「たくさんなっているときですよ」と出口さん。「毎年失敗するし、毎年成功するから、同じことをした年は1度もない。1年に1作なので、10年やっても10回。だから毎年いろいろ変えてみます。水のやり方一つ、温度でも変わってきますから」。

地域、農業の未来を見据えて

今後は、黄色やオレンジのミニトマトの栽培も考えているそうです。そして、地域、新富、県内の農業の未来についての思いも話してくれました。「ますます農家が減ってきて、大規模でやらないといけなくなるでしょう。10年たてば、この辺もかなりの人数が減ります。さらに外国産の野菜が入って単価が安くなるでしょうから、それを見越して面積を増やし、多品目の作物を栽培していかなければと考えています」。

さらに雇用についても。いまはパートさん6人、最大で8人。4月からもう1人、地元の人を雇用します。ベテランの人に支えられながら、若い人の雇用も進めていくことで、地域での持続を考えています。

農業は地域で作っていくもの

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

最後に、宮崎で新規就農をしたいという人へのアドバイスをお聞きしました。「何となく農業をしたいという気持ちではなく、ちゃんとした目的があって、地域に密着してやるならいいと思います」と出口さんは話します。

「農業って個人でやるイメージがありますが、実は地域で作っているんです。春先には共同でハウス周りの殺虫をしたり、みんなでビニール張りをしたり。助け合ってやっています。新規で始めたいという人は、その土地にどっぷりつかろうと思わなければできないと思います」。大切なのは、地域の人とのコミュニケーション、そして家族の理解も大きいと言います。

作っている作物や職種を超えてのつながりも多い農家の仕事。以前は定期的に、ハウス農家や肥育農家、商工会との意見交換会を行っていて、その復活も提案しているところです。「話す機会があれば、直接、行政にも届けられる。横のつながりも大事なんです」。

地域の農業のこれからを担っていこうという、出口さんの熱い思い。私たちもいろいろな形で応援しようと決意させられました。

 

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