電子タバコ販売からうなぎ屋へ転身! 自家製のタレを1晩で完成した「金松うなぎ」店主の心意気

新富町働く

私事ですが、子どもの頃はうなぎが苦手だったんです。そんな私が初めてうなぎを「美味しい!」と思ったのは、地元のうなぎ屋さんで食べた時でした。

以来、うなぎを食べるのが大好きになりました。そんなことを思い出しながら、今回「こゆ夜市」でうなぎの香りに誘われて、うなぎ屋さんを取材することに。

店主たちが慌ただしく準備する夕方。開始前から子どもたちが賑わう声が響く商店街。浴衣姿の女の子たちが真っ先に向かうのは、色とりどりのかき氷。様々な食べものが並ぶキッチンカーに屋台。昼間の暑さが和らぐ7月の夕刻の「こゆ夜市」を訪れました。

こゆ朝市は夏に「こゆ夜市」として夜間に開催される

甘いたれの香ばしいにおいが店先から香る。そんな魅惑の香りに誘われながら向かった先は「金松うなぎ」。今回はこゆ夜市でミニうな丼やひつまぶしのおにぎりを販売している店主、松下幸史朗さんにお話を伺いました。

金松うなぎの店主、松下幸史朗さん

最近は事業が忙しく、まったく趣味の時間がとれなくなりましたが、愛読書は経営関係の本。休みなくお店を切り盛りしている中、経営やマーケティングを学ぶなど、とてもエネルギッシュです。

うなぎとの再会

松下さん:実はもともと、鹿児島の宇宿(うすき)で3年、電子タバコの販売をやっていたんですよ。しかし、私には小学生2人、幼稚園生1人の子供がいて、次第に家族との時間をもっと大事にしたいなぁと思って。それから、実家のある新富町に戻ることにしました。

実家では父がうなぎ屋を経営していたこともあって、家業を継ぐ形でこの業界に入りました。父のうなぎ屋は歴史が長くて28年にもなるんですよ。

それから、経営者としてうなぎのことを色々と考えるようになりました。

こゆ夜市の店先に立つお母様と松下さん

松下さん:以前は鹿児島で電子タバコの販売をしていましたが、地元に帰って子供たちの時間をもっと作りたい。そう思ったことがきっかけで、地元新富に戻ってきました。かつて実家でうなぎの加工所をやっていたことから、自分自身も地元で働きたいと思いました。

加工所では、うなぎの骨せんべいをメインにやっていていましたが、今は店舗にてうなぎの飲食店を経営しているほか、ネットショッピングでかば焼きの販売を行って、自慢の味を地域に・全国に届けています。

うなぎとの日々 こだわりのタレができるまで

松下さん:もともと、仕入れと加工屋だったんです。今では日によりますが新富町・日置にある加工工場で1日に多いときで100kgほどうなぎをさばいているんです。母と私2人で作業しています。

うなぎ100kgを2人でさばいていると聞いて驚きました。どのくらいの量なのか気になり調べたところ、平均的なサイズで約400匹にもなるそうです。(日本養鰻漁業組合ホームページ参考::1匹あたり250g)この量を1日でさばくのはさすが職人技だなと感じました。

取材中、親子で作業されている姿を見ましたが、互いが支えあっている様子や「うなぎにかける思い」を強く感じました。

松下さん:自家製のタレですが、少し甘めにつくっています。ピリッとしていて味にアクセントがあるのが特徴です。タレの構想はずっと自分の中にあったので1晩で作れました。色々試しましたが最初につくったものが一番おいしかったですね。

焼き方にもこだわっていて、皮はパリっと仕上がるように強めに焼いています。はじめに一瞬、鰻の身を焼いてから皮を焼くのがポイントですね。うちは、身がふっくら仕上がるようにさばきたてを提供しています。

お米にもこだわりがあって、串間産の「夏の笑み」という米を使ってます。

もちもちとした食感が特徴で、たれとの相性は抜群です。

松下さん:今回のこゆ夜市では、ミニうな丼やひつまぶしおにぎりのほか、かき氷と生ビールも準備しました。子どもたちにはうなぎよりもかき氷が人気で困ります(笑) 

実際に食べてみました!!

うなぎを食べた時にまず感じたのが、身がふっくらとして分厚い点。私がこれまでに食べてきたものとは異なり、店主の話していた「捌(さば)きたてのうなぎにしかできないもの」とはこんなに違うんだと驚きました。

また、たれが丁度いい甘さでうなぎとごはんによく絡み、両者を引き立てとてもおいしかったです。お米は、香りがよくシャリが立っていてもちもちとした触感でした。どれも店主のこだわりが詰まった一品でした。

「金松うなぎ」は店舗以外でもネットで販路拡大中

松下さん:今では店舗だけではなく、ネットショッピングでも販売しています。

ヤフーショップでのオンライン販売を展開しているほか、新富町のふるさと納税で骨せんべいや、鰻の塩焼きなども提供しています。フェイスブックページに掲載されています。ぜひ検索してみてください。

ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」より

「金松うなぎ」が出店している「こゆ夜市」について

「こゆ夜市」は7月から9月の第3日曜日・18時~21時に町の中心部の商店街で開催されています。10月には「こゆ夕市」として16時~20時に開催予定。11月~6月は「こゆ朝市」として朝10時から13時に開催しています。様々な飲食店が並んで食べ歩きを楽しめる「夜市・夕市・朝市」で、ゆったりとした時間を過ごしてみませんか。

みなさんが遊びにきてくださるのを、楽しみに待っています!

一般財団法人こゆ地域づくり推進機構

2017年4月に設立した地域商社です。「世界一チャレンジしやすいまち」というビジョンのもと、地域経済の創出に取り組んでいます。主に、1粒1000円の国産ライチのブランディング・販売や、起業家育成塾「児湯シータートル大学」「地域を編集する学校」などを実施しています。

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