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宮崎県新富町をまだ一度も訪れたことのない人に伝えたいたった1つのこと

日向新富駅ホーム

あたたかい町の玄関「日向新富駅」

日向新富駅

宮崎県児湯郡新富町の玄関「日向新富駅」

駅のホームに降り立ってまず気付いたのは、空の広さだった。
遮るものが何もない空は、きれいな青色に染まっている。
ガタンゴトンと電車が発車した後は、鳥のさえずりを楽しめるくらい穏やかな時間が流れ始めた。
宮崎空港駅から北へ電車に揺られること約40分。
「日向新富駅」には、のどかな風景が広がっている。
人口1万7千人の宮崎県児湯郡新富町。
3年連続日本一になったお茶や、希少な国産ライチの生産など、広大な農地を活かした産業が盛んな町だ。
「こんにちは〜」
駅の改札口で、女性スタッフの明るい声が響いた。
ここには自動改札機が無い代わりに、人とのコミュニケーションがある。
駅舎は全体的に年季の入った建物だが、待合室に足を踏み入れてみると、どことなく新しさを感じた。
「去年の11月頃から少しずつリノベーションしているんですよ」
木の暖かさを感じる居心地の良い空間。会話や休憩を楽しめるような、大きめの机や椅子。
駅舎内には、訪れた人が滞在し交流するための工夫がいくつもある。
この駅には1時間に1本ほどしか電車が来ないが、新富町はこの地方ならではの短所を長所に変えようとしている。

最近では、こどもたちが駅舎内でゲームや勉強をする光景も見られるようになったらしい。
この駅を起点に、たくさんのコミュニケーションが生まれる日はきっと遠くない。

活気付く商店街「こゆ朝市」

こゆ朝市

毎月第3日曜日に開催される「こゆ朝市」。現在は新富町るぴーモール虹ヶ丘商店街で行われている。

駅を出て、ポカポカ陽気の中を南へ歩くこと約15分。
多くの家族連れや年配夫婦などが、とある大通りへ入っていく。その表情は皆、楽しそうだ。
覗いた通りは、新富町るぴーモール虹ヶ丘商店街。
行われていたのは「こゆ朝市」だった。チラシには「毎月第3日曜日開催」とある。
商店街の両脇にはお店がズラリと並び、多くの人で賑わっている。
早速、近くのお店でホットドッグを買った。
「こゆジャンボドッグ」という名前にふさわしく、特大のソーセージが香ばしいパンに挟まっている。
かぶりつくと、ジューシーな肉汁が口いっぱいに広がる。これで500円は納得できる味だ。
「おいしいでしょ、それ」
ふと視線を移すと、緑色のつなぎを着て優しい表情をした男性が立っていた。
高橋邦男さん。「こゆ朝市」を主催する団体「こゆ財団」のメンバーだ。

こゆ財団 高橋邦男さん

こゆ朝市を主催する「こゆ財団」の高橋邦男さん

「朝市は、この商店街で行うようになって今回で4回目。これまでで一番多い35店舗が出店しています。
多分、今日は500人くらいの集客になるんじゃないかな」
そう語る高橋さんの表情は嬉しそうだ。35店舗の内、約半分は他の市町村からの出店者。
こゆ財団のメンバーが、一軒ずつ声をかけて朝市への出店を募ったのだという。
「町の人が主役になれるのが、この朝市の一番良いところ。これをきっかけに、賑わう商店街になっていけばと思います」

すぐそばには、お店の味に嬉しそうに感想を言う若者や、こどもと楽しそうにクジを引く親子の姿。
訪れる人も迎える人も、笑顔が絶えない。
商店街には、少しずつ地域おこしの風が吹き込まれている。

求心力をもつ町

新富町総合交流センターきらり

新富町総合交流センターきらりの内観。天井が高く開放的な空間が広がる。

活気づいた商店街を抜け、直進すること約5分。訪れた施設の快適さに驚いた。
2016年4月に開館した新富町総合交流センターきらり。天井が高く開放的な空間には、図書館やカフェも併設されている。
「私、この施設が大好きなんです」
明るい表情で語ったのは、新富町商工会女性部 部長の広瀬美智子さん。
新富町で30年以上青果物の仲卸をしている株式会社広瀬の取締役でもある。

新富町商工会女性部 部長 広瀬美智子さん

新富町商工会女性部 部長 広瀬美智子さん。この日は天気が良く、テラスで話を伺った。

「町外の方に新富町を紹介する時は、必ず連れてきます。『ここ、すごいでしょ?』って。町として誇れる施設です」
広瀬さんは、週に1回ダンスの練習で施設を利用している。所属しているのは「ルーピンレディ」というダンスチーム。
商店街や地域を盛り上げるために商工会女性部が立ち上げた。
ルピナスの花のごとく華麗に舞う9人の女性で構成されており、地域のイベントなどには引っ張りだこだ。

「これ、見てください。面白いんですよ」
広瀬さんがカバンから携帯電話を取り出し、ある動画を見せてくれた。
去年の夏に鹿児島で開催された、九州各県から商工会女性部が集まる研修会後の交流会の様子だ。
金髪のカツラを被り、タイトなドレスに身を包んだルーピンレディ達。
BGMはボーイズ・タウン・ギャングの「君の瞳に恋してる」。
オリジナルの振り付けで他県の人達を巻き込み、会場一体となり踊っている様子が映っている。
「終わった後にアンコールの声が上がったんです。こんなのは初めてだってみんな驚いていました」
笑顔を交えて語る姿から、広瀬さんがルーピンレディとしての活動を楽しんでいることが伝わってくる。

ふと時計を見ると、話を始めて1時間以上が経っていた。
あっという間に過ぎた時間。
広瀬さんの求心力の片鱗を垣間見た気がした。
誰とでもオープンに接することのできる人間力。
新富町で暮らせば、この力は自然と身についてくるのだろうか。

「関係人口」という言葉がある。
長期的な定住や短期的な交流ではなく、地域や地域の人々と様々な形でつながる人口のことだ。
新富町は、この関係人口を作ることに長けている人が多い。
そして色々な人達を巻き込み、ムーブメントを起こす力を持っている。

宮崎県新富町をまだ一度も訪れたことのない人に伝えたいたった1つのこと。
それは、ここが訪れるだけで元気をもらえる町ということだ。

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