相撲がつなぐ地域の輪―大相撲陸奥部屋新富合宿

12月3日〜12日の約10日間、新富町の三納代運動広場の土俵を会場に、大相撲陸奥部屋の「新富合宿」が行われました。今回は陸奥部屋に時津風、立浪部屋も加わり、宮崎市出身の勇輝など幕下力士ら16人が参加。大きな体でバチンと音を立ててぶつかり合う、間近で見る相撲の迫力に、見学に訪れた人たちはくぎ付け。寒さも忘れて見入ってしまうようです。

力士の息づかいも聞こえるほど近くで見られる

この合宿は、陸奥部屋新富合宿実行委員会の顧問を務めるナガトモさんが、陸奥親方(元・霧島関)と仲良くなったことをきっかけに、町内の有志を集めて実行委員会を結成し開催すること15回目。合宿前の土俵の準備や力士たちの宿泊の手配、懇親会の段取りなど、同実行委員会が新富町民を巻き込みながら合宿を盛り上げています。

合宿の会場となった三納代運動広場は大賑わい

合宿中の土・日曜日は合同イベントで大賑わい

合宿期間中の土・日曜日には、「新富町長杯九州各県対抗少年相撲大会」が開催されます。広場には九州各県から集まった少年力士たちが、ウォーミングアップしながら自分の出番を待っています。今年は約240人の参加があり、その家族が応援に駆けつけ広場は大賑わい。同時に「フードフェスタ」も開催され、地元・新富町のグルメをはじめ県内各地から集まった出店が軒を並べており、広場一体に美味しそうな香りが漂っています。少年力士たちの中には、まずは腹ごしらえからと、お目当ての店に並んでいる姿も見られました。

必死の攻防から投げ技を繰り出す様は力士そのもの

大会が始まると、表情は一転し真剣勝負! 団体戦と年代別の個人戦が行われました。男の子も女の子も力強く相手にぶつかり、押し出したり投げ技を繰り出したり。元気いっぱいの取り組みを見せてくれました。将来の関取が、ここから生まれるかも…しれませんね。

新富合宿は「地域への恩返し」の気持ちも込めて

陸奥部屋新富合宿実行委員会をまとめるのは、森進次委員長。合宿を段取りしイベントを主催するにあたり、ご縁のある陸奥部屋の応援はもちろん「地域への恩返し」の気持ちも持っています。

実行委員長の森進次さんと、宮崎市出身の勇輝

「私は新富町で生まれ育ち、この地で会社経営をさせてもらっています。地域の年配者たちに育てられ、協力してもらったからこそ今があるんです。年配の方たちは相撲を見せると大変喜んでくれるので、これからも続けていきたいですね」と森さんは話します。

白玉入りのぜんざいをこしらえて販売する、地域の女性たち

一方で、土・日曜のイベントでは地域の女性たちが大活躍! ぜんざいを作って販売したり、力士たちの餅つきのそばでもち米を蒸したり餅を丸めたりと、ボランティアでサポートしています。「地域の人たちが集まって顔を合わせる“場”の創出。これも大事だと思っています。もっとフード類の出店が増えて、さらに盛り上がるといいですね」と森さん。

ファンサービスに来場者は笑顔いっぱい!

会場脇でまげを結い直している姿も

会場では、力士たちがファンの要望に応えて一緒に写真を撮ったり握手をしたり。また、来場者が取り囲む広場の一角でまげを結い直している力士たちの姿が見られたりと、気さくな力士たちを身近に感じられる和やかな雰囲気。この期間に、さらに相撲ファンが増えること間違いないでしょう。

来年の開催も今から楽しみです。

絶品!陸奥部屋特製ちゃんこ鍋。来年もぜひ味わってください