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「ひなたGAP」認証は新富町初! 地域農業のリーダー・比惠島学さん

日向灘へ注ぐ一ツ瀬川の下流に位置する新富町。肥沃な大地と温かな気候に恵まれ、米や野菜など農業が盛んです。

新富町新田で農業を営む比惠島学さん(51歳)は、チャレンジ精神旺盛な地域農業のリーダー的存在。新富町内に30町(=30ヘクタール)もの農地をもち、家族や従業員、パートを含め8人体制で農業を営んでいます。 昨年(2018年)11月30日、宮崎県産農産物の安全性などを示す「ひなたGAP」の認証を受け、注目を集めた比惠島さん。県内で8例目、新富町では初の認証。周りの農家さんたちが一目置く比惠島さんに、「ひなたGAP」取得の裏側とその成果をうかがってきました。

そもそも「GAP」とは?

「GAP」は“Good(適正な) Agricultural(農業の) Practice(実践)”の略。食品安全、労働環境、環境保全に配慮した持続的な取り組みの結果、ムリ・無駄を省き、安全で品質のよい農産物を生産するための「農業生産工程管理」を審査・認証する制度です。ヨーロッパ発の世界認証「グローバルGAP」や、2005年に日本GAP協会がスタートさせた「JGAP」などのほか、自治体などが独自に作成したさまざまなGAP認証制度がありますが、宮崎県が農林水産省の「農業生産工程管理(GAP)の共通基盤に関するガイドライン」に準拠し作成したものが「ひなたGAP」。ひなたGAPの認証を受けると、2020年東京オリンピック・パラリンピックの食材調達基準を満たすことにつながります。

 近年、消費者たちの食の安全・安心に対する関心は高まってきており、農産物の輸出や大手量販店、食品加工企業等との取り引きにおいて国際水準のGAPを求められることも増えてきているとか。ひなたGAPはJGAP等を参考に作っていることもあり、民間のより高いGAP認証にチャレンジしたい人にとってのファーストステップとしても位置づけられています。

キュウリと米の2品目で「ひなたGAP」認証を取得

比惠島さんは昨年11月30日、キュウリと米の2品目を同時に「ひなたGAP」認証を取得しました。

—「ひなたGAP」を取得しようと思ったきっかけは?

他の商品との差別化により、うちの作物が優位に取り引きされればいいなあ、と思って取り組みました。

—いつぐらいから、どのように取り組みましたか?

昨年の夏あたりから。青果物で63項目、米は57項目の管理項目が決められていて、それを一つひとつチェックしながら、クリアできるように改善・工夫していきました 。

—取得に向けてサポートは?

児湯農業改良普及センターから、指導員として女性スタッフ2人がサポートしてくれました。まだあまり事例のないことで、彼女たち自身も“ひなたGAP”に関する経験が浅かったのですが、お互い勉強しながら一緒に取り組んだ結果、無事認定を受けることができました。

—いちばん大変だったことは?

台帳や作業日誌は以前から書いていましたが、肥料や農薬に関しては置き場所の確保、購入量や使用量など出し入れの細かなチェックが必要で、管理方法の確立や従業員に指導するマニュアル作りの段階が大変だったですね。農地も広く規模が大きいので使用する農薬類の保管には広いスペースが必要。新しく農薬用の倉庫を購入し、施錠管理しています

常に施錠し、管理される農薬保管庫

—従業員たちの協力は?

みんなで協力して進められたと思います。若い従業員たちはパソコンの扱いに慣れていて、圃場をマップ上に色付けしたり、手書きしていた部分もパソコンで入力や管理できるようにしてくれたり。助かりました。

—認証を取得後、そのメリットは?

キュウリと米は出荷の際に、“ひなたGAP”認証の証としてシールを貼って出荷します。ただ、消費者がそれにどれくらい価値を感じてくれているのかは…正直今のところ疑問です。ひなたGAPを取得しているから取引が優位になるとか、価格が上がるといったことはまだありませんね。  でも、生産工程管理がしっかりしてくると、いろんな無駄や手間が省けて作業が分かりやすくなってきたことは実感しています。食べ物の生産者として、圃場や作業場の整理整頓、安全性への意識も以前より高まってきました。

—今後、別の作物でのトライは?

もち麦とアスパラガスは、追加で審査を受けようかなと思っています。キュウリと米の経験があるから、前回よりうまく進められるんじゃないかと(笑)。

GAPへの取り組み。新しい作物への挑戦。それぞれは点でも、いずれ線でつながっていくこと

「ひなたGAP」認証が新富町初であったように、やりたいことへの第1ステップがとにかく早い比惠島さん。好きが高じて2年前から作り始めたソバは、「仕事というか趣味に近い」と笑いながらもしっかり出荷につなげ、年末は自社の忘年会で手打ちそばを振る舞ったりと、楽しむことも忘れません。今年は初めてアスパラガスの栽培にも着手し、この夏いよいよ定植作業が始まります。また串間市の県亜熱帯作物支場で研究栽培されていたバニラにも興味を持ち、何度も足を運んだ末にいよいよ今年挑戦予定。

「バニラは加工が大変やけど、できたときのあの香りはすごくいいね〜。海外で値が上がっているし、うまくいけばビジネスチャンスがあるかもしれないね。そのうちアイスクリームもうちで作ったらどうやろか?(笑)」

農業が好きで、思いついたことはやってみたい性格の比惠島さんは、とにかく夢やアイデアが湧きあふれて止まりません。

「一つひとつは点でも、その点が繋がってくると、またおもしろいことができるからね。“ひなたGAP”もその一つかな。すぐに成果を求めず、長い目で見ていかないと。これからもっとGAPが注目されて評価が高まれば、JGAPあたりまではステップアップしたいところですね」。

比惠島さんと、男性スタッフの皆さん。力を合わせ、安心・安全な野菜の生産に取り組んでいます

農作物の生産工程において、安心・安全を保障する認証制度「ひなたGAP」を取得し、これまで以上に自信を持って農作物の生産に励んでいる比惠島さん。こんなシールを貼った商品を見かけたら、ぜひ手に取ってみてくださいね。

“ひなたGAP”認証シールが貼られた、比惠島さんのお米

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