乳酸菌たっぷり。昔ながらのたくあんはしみじみうまい!

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宮崎は、漬物などの加工用大根の生産量第1位。冬の季節風が吹くころになると、刈り取りを終えた田んぼに大根を干す大根櫓(やぐら)が組まれ、冬の風物詩になっています。新富町でも見ることができますよ。寒風の中で干された大根は、「キムラ漬物」でおいしいたくあんに。昔ながらの、しっかりぬかに漬けこんだたくあんは、塩味も甘味も酸味もあって、うまみが口いっぱいに広がります。

 

宮崎は天日干し大根作りに最高

キムラ漬物グループは昭和26年、愛知県田原市、渥美半島で誕生しました。かつて大根の一大産地で、たくあんを作る工場も多く、渥美たくあんと呼ばれていました。キムラ漬物宮崎工業は元々、たくあん用の大根を仕入れていた新富町にも拠点をつくろうと、昭和47年に創業しました。

愛知で生まれ育った木村社長。幼いころから大根の葉っぱを切ったり、運んだりしていたそうです。29歳のときに、ご家族と新富町へ。宮崎は、天日干し大根を作るのに最高の環境と話します。「霜が降りると凍ってしまうので、風が吹いて霜が降りにくいのが大事。いい季節風が吹くんです」。この干し大根を使って、いまも昔ながらの渥美たくあんの漬け方を変えずに作り続けています。これが本当にしみじみとうまいのです。

「渥美たくあんは、塩と米ぬかとトウガラシ、柿の皮で甘みを出して、ナスの皮で香りをつけて。昔から家庭で漬けていた樽詰めのまま、大阪や東京に出荷していました。ぬか漬けたくあんがうちのウリです」と木村社長。

こだわりを尋ねると、「昔からやっていたから、それをそのままやってきただけで、難しく伝統を守ろうみたいなことではなくてね」と笑顔で答えてくれました。

 

農家さんの苦労の結晶を丁寧に漬ける

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

漬物は、1年が1サイクル。大根の仕入れが11月から2月頃まで。それを翌年の11月までに売り切ります。干し大根は契約農家から仕入れていますが、いまは新富町内でも、大根櫓で干す農家は5、6軒になり、ここ5年ぐらい大根は取り合いの状況なのだそう。

「シンプルだから、いいものを使わないとごまかしがきかない。大根も品質のいいものを農家さんに提供してもらわないといいたくあんができません。土壌もですが、干し方でも品質が変わります。干す時期は、天気予報を見て日程を決めて。干し上げる間も夜、寒波が来る日は、2重にシートをかけて中でストーブを炊くこともあります。見聞きした農家さんの苦労を代弁しつつ、消費者に分かってもらうことで消費が伸びるように、付加価値を認めてもらえるようにしていくのも僕らの役割です」。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

干し大根を仕入れたら、いよいよ漬け込みです。大根は自然のもの。常に同じものが入荷するわけではないので、塩の量を変えたり、重しを調整したり、いままでの積み重ねの中で毎回、おいしくなるように、考えながら漬け込みます。その答えが分かるのは1年後。じっくり乳酸発酵させているので、時間が掛かります。いい材料と時間と職人の経験が、おいしさに現れるのですね。

ぬか漬けのスゴさを伝えたい

木村社長は、これからについて「あまり難しく考えたことはないけど、できるだけ多くの人に食べてもらって話を聞いてもらって、理解してもらう。その価値があるなら買ってみようという人が1人でも増えればいい」と話します。

市内や町内のイベント、県の物産展や直売所、県の物産館にも卸し、キムラ漬物の商品が消費者に届く機会を増やしています。新商品のアイデアは、そういう場で直接、お客さんから寄せられる要望から出るそうです。「たくわんを買わない理由に、重いからという意見も聞きました。目からうろこでしたね(笑)」。

ぬか床教室も開いています。「ぬか床は面倒くさい、難しいってイメージがあるでしょう。ぬか床が元気なら野菜を入れるだけでおいしく漬かるから、料理する必要がないんです。発酵して生野菜のかさが減って、量が食べられるから、すごくいい」。

社長のおすすめはゴーヤー、新玉ネギ、ミニトマト。旬の野菜ならなんでもOK。取材時は、新玉ネギと大根、キュウリのぬか漬けをいただきました。香りがよく、みずみずしいのに感激しました(自分でぬか漬けができるぬか床を早速購入しました!)。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

たくあんは、みそ漬けや梅酢漬けなどもあり、ちらし寿司や白和え、ペペロンチーノに使うのもおすすめです。最新の研究では、たくあんには、血圧上昇を抑えたり肝臓を元気にする機能の他に、リラックス効果や抗ストレス作用などの癒しの効果があるGABAという成分がほかの食品よりも格段に多く含まれていることも分かっています。「そういうことも伝えていきたい」と木村社長。

お茶と一緒におやつで、お弁当にも夜食にも。リラックスタイムのお供に、キムラ漬物のたくあん、オススメですよ。

 

川越 祐子

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宮崎市出身・在住のフリーライター。宮崎のことなら何でも知りたいということで、県内を走りまわり、どの市町村にも友人がいるのが自慢。特に食・建築に興味があり、朝...

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