つくる人とたべる人とをつなぐ直売所 〜JA児湯農畜産物直売所 ルーピン

“JA児湯 新富直売所〜”

宮崎県の中部に位置する児湯郡新富町。
JA児湯が新富直売所「(愛称)ルーピン」は、オープンして今年(2018年時点)で11年となる。超新鮮をモットーに地場産野菜・果物と牛肉・豚肉・鶏肉を取り揃え、スーパーよりも買い求め安く、作り手と食べる人との距離感を近づける場所にする為の挑戦を続けている。ちなみにルーピンとは花名「ルピナス」の愛称で新富町の町花で親しまれている。

直売所ルーピンは、新富町の地場産品である、きゅうり、ピーマン、トマトは勿論取り揃えており、JAこゆ牛、湖水ヶ池のレンコンなど都内では特に見かけないものも提供している。湖水ヶ池のレンコンは、10月から2月まで旬であり、「鳥肉とレンコンの煮物」、「レンコン南蛮」、「レンコンチップ」などの料理がおいしく、「レンコンをみそ汁に入れたりするととてもおいしいんです。」とルーピンの店長の林さんが、オススメの料理を紹介してくれる。さらに、新富町の地場果樹であるイチゴ、キンカン(2月〜3月が旬)、エリザベスメロン(4月〜5月が旬)、ライチ(6月が旬)など野菜だけでなく果樹もたくさん品揃えている。ルーピンは、地場産率80%から90%で売り場を提供しており、地産地消を実戦している直売所と言えるだろう。このように、たくさんの新富町で作られた品物を揃えることができるのは、約400ほどの地元の農家さんや、家庭菜園を持っている作り手さんとルーピンとが提携しているのがその理由だ。そして、毎日50から100ほどの作り手さんが新鮮なものを提供してくれているおかげで成り立っている。

JA児湯 新富直売所になぜ行くのか…?

通常、生産者が作った野菜や果樹は、出荷場を経てスーパーマーケットで売られる為、つくる人からたべる人までの距離は遠く、価格も仲介料が上乗せされたものとなるので、その分値段が高くなる。スーパーマケットで購入する時は、価格は高くても野菜や果樹の形は整っているし、ある程度鮮度もある為、納得して購入する事ができる。一方、直売所ルーピンでは、収穫したての野菜や果樹を作り手自ら価格を設定することができるので、仲介料が上乗せされずに購入してもらえる。また、家庭菜園をしている人がベランダで作ったネギやトマトを気負わず出品ができる。「ルーピンで出品される野菜や果樹の形は不揃いのものもあるが、野菜は野菜、果樹は果樹、たべる人の率直な意見も聞くことができたり、価格がスーパーマケットより安く、お手頃なのでたべる人が喜ぶところでもあるんです。」と林さんは教えてくれた。店長のつくる人とたべる人と向き合い続けながら距離感を近づける事に毎日取り組んでいることひがしひしと伝わってくる。
広さは大きくなくてもつくる人と食べる人が開かれた場所でつながることができる。つくる人達みんなでどういう品物が必要か考えて、つくる人と食べる人が一体となって直売所が動いている。直売所は、食を通じてコミュニティーの場を提供してくれる空間なのだ。