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注目!若手起業家が地域を変革するビジネスプランを発表 〜新富ローカルベンチャーサミット2019〜

新富町総合交流センターきらりにて、10月6日(日)に開催された「新富ローカルベンチャーサミット2019」。地域を変えたい思いをもって、地域の抱える課題にぐっと入り込み、新たな視点で生み出した独自のビジネスプラン。そこには、若き起業家たちの地域に対する愛情がありました。

まずは「地域ビジネスの作り方」トークセッション

この日のゲストは、慶応義塾大学の前野隆司教授(慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科)と九州パンケーキの村岡浩司さん(有限会社一平 代表取締役)。ローカルで地域ビジネスにチャレンジすることは、個人や地域、社会の幸せにどう影響していくのか。登壇者によるプレゼンテーションの前に、幸福学を研究する前野先生と地域から世界へ発信する起業家・村岡さんのトークセッションが行われました。

昔は社会に出る時、生涯そこで働くという前提のもと大きな企業・いい会社に入ることは意味があった。でも今は違う。10年後、果たしてその会社は存在しているだろうか。社会は変わり、自分がやりたいことを追究するベンチャー企業がどんどん生まれた。(村岡さん)

人類史上格別におもしろい時期に、私たちは遭遇している。人類の1万年も続いてきた、大きさに価値を求める時代が今、変わろうとしている。都会に住み、大企業で働けば、高収入と幸せが約束される時代は崩壊し、「小さくて個性的」なことが、一瞬で世界から注目される時代になった。この新富町という小さな町で、“サミット”と名のつくイベントが行われること自体、時代を象徴している。(前野先生)

人生をワークとライフに分けた時、辛くてもワークでお金を稼ぎ、ライフにおいてプライベートな時間を充実させることが幸せの追究だとされてきたけれど、1日の大半を占める“働く”こと自体が幸せなら、こちらの方がより幸せな人生ではないだろうか。(村岡さん)

大きなものに守られて幸せを築く時代は終わった。個人がやりたいことを見つけて自分の強み・個性を発揮し、情熱をもってビジネスにまい進する。1万人が1万通りの苦労をしながら、やりたいことを追究していくことに価値がある。

この“やりたいこと”を見つけた人から、これからの新しい世界へ行くことができる。(前野先生)

自分のやりたいことをビジネスとして追究し続けるお二人が、これから登壇する起業家5人の背中を押すコメントがたくさん散りばめられたトークセッションに、会場内の人たちは大きくうなずき共感している様子。雰囲気が温まったところで、起業家たちのプレゼンテーションへと移りました。

「観光体験サービスをつくる!」

外山泰祐さん(日南市地域おこし協力隊/東京都出身)

訪日外国人旅行客の増加で、インバウンド市場はまだ伸びつつある今、彼らが求めるのは観光スポットではなく「体験」。そう捉えた外山さんは、地元の人たちを巻き込みながら「天空の茶畑ツアー」や「猪八重渓谷トレッキングツアー」といった体験型コンテンツをスタート。少しずつ数を増やしていっています。
日南市の魅力の一つである山、川、海を戦略的に繋げながら、地元のコミュニティーを体験し、人との触れ合いを楽しんでもらうことを目的としています。
現在の課題としては、「接し方、伝え方がわかる人材の不足」「地元の人たちが商材の魅力を感じていない」「宿泊施設や交通手段、案内標識等の不足」などを感じているようです。

発表を受け、前野先生から「海外の人向けのコンテンツ作りなら、海外の人たちにたっぷりとヒアリングをすること。そこにビジネスチャンスが必ずあります」とアドバイスがありました。

「特産品を使ったギフトで雇用を創出!」

河野大樹さん(新富町地域おこし協力隊/宮崎県新富町出身)

30歳で帰郷したふるさとは、「こゆ財団」が生まれチャレンジできる環境に。とにかく地元のコンテンツを増やしたいという思いから、新富町の特産品の一つであるソバを使って宮崎を代表するお土産品を世に送り出そうと奮闘中。宮崎県椎葉村でそば処を営む椎葉昌史さんの協力を得て、県産の食材を使用し、添加物や保存料不使用の安心安全なお菓子「宮崎そばフロランタン」が誕生しました。
地元の特産品を使うことで地域の農業を盛り上げること、また製造工場を作って地元に雇用を創出し、若い人たちにも働ける場を提供することを目的としています。まだまだ売り上げが十分に上がっていないのが現状ですが、しっかりと雇用につなげたいと奮起しています。

九州パンケーキを世に送り出した村岡さんは、「河野さんのなかで宮崎そばフロランタンは“1つのパーツ”であり“花”なんです。早く森(土台)の設計図を見つけ、描かなければ。食というキーワードで新富町を切った時に、10年後の新富町はどんな町になっているでしょう。これだ!と言える町の個性を早く見つけて、花を咲かせる森の土台を作り、たくさんの木を植え花を咲かせてください」とエールを送りました。

「森の隠れ家『Bar EL CAMPO』創業!」

矢川圭汰さん(元 五ヶ瀬町地域おこし協力隊/大分県出身)

ラーメン店店長を経験し、飲食業のおもしろさに目覚めた矢川さんは、大好きなお酒やカクテルを自分で作っているうちにバー開業を思い立ちました。奥様の実家がある宮崎県五ヶ瀬町で地域おこし協力隊をしながら町民と顔見知りになり、町内にいい物件を見つけて念願のバー開業へ。

さらに飲んでも泊まれるように、また高千穂や阿蘇、五ヶ瀬スキー場と観光スポットが近いので需要ありと想定し、現在ゲストハウスの開業に向けて奮闘中。「平日はゲストハウス建設、週末に隠れ家バーを開店。年内にはゲストハウスオープンし、余裕ができれば鹿肉バーガー開発も目標です」。

矢川さんの発表を聞き終えた村岡さんは、「とにかく木を植えまくっているうちに、すでに森全体が見えてきて、次の概念に移っていく。これは私が考える一つの成功者の形なんですよね〜」と感嘆。「お金のことを忘れるくらい、やりたいことに夢中になっている。その力は素晴らしいです」と前野先生もそのあふれるパワーに驚いていました。

「メディカルフルーツ『パパイヤ』を世界へ!」

岩本脩成さん(新富町地域おこし協力隊/宮崎県宮崎市出身)

酵素たっぷりで食物繊維が豊富。栄養価が高く、健康や美容にいい成分をたくさん含んだ「パパイヤ」に着目し、『食の力で予防医療を』と法人化を目指しているのは“パパイヤ王子”こと岩本脩成さん。実だけでなく、葉や茎、根などあらゆる部分にいい成分を含み、食べ物以外にも石けんなどいろんな加工品が作れる魅力があります。

現在、宮崎県のパパイヤ生産量は国内第3位。パパイヤの価値を周知させることで需要を高め、この新富町でも生産者を増やしていきたいと語ります。他との差別化、売り方、生産体制など課題はありますが、今は町内の『こゆ野菜カフェ』でサラダに使ってもらったり、ふるさと納税返礼品の野菜セットに調理法を添えて入れるなど、少しずつPRの幅を広げています。

「今現在、東南アジアでは人気なのに日本人はそれほどパパイヤを消費しない。メディカルフルーツとしてのパパイヤを広めて宮崎での生産量を増やし、聖地化する。いけますね!」とは村岡さん。事業としての可能性を感じている様子でした。

「椎葉村でテレワーカーを育成!」

天野 朋美さん(椎葉村地域おこし協力隊/広島県出身)

日本三大秘境の一つである椎葉村で地域おこし協力隊を務める天野さんは、「地元の人を置き去りにしない関係人口の創出」「村内と村外の人をつなぎ、椎葉の“脳みそ”となる新しい拠点施設づくり」に携わっています。自然がいっぱいで魅力あふれる土地であっても、村に住むあるいは帰郷してきた若い人たちにとって、ここでやっていけるのかという不安も。そんな村民の気持ちに寄り添いながら、関係人口を増やす仕組みを作り徐々に新しい流れを生み出しています。また、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方ができるテレワーカーの育成にも取り組み中。農閑期の村民や、また椎葉で働いてみたいという外からの人も受け入れていく予定です。

発表後、村岡さんは「椎葉は九州の中でも隔離された特別な場所。外から人が集まるには食べる、遊ぶ、人に会う…といった要素があるが、その上に“働く”という概念が今後生まれるのではないかと予感している。オンリーワンの場所だからこそ、椎葉の魅力が際立ち個性が光ると思います」と評価していました。

宮崎県新富町という小さな町で行われた、5つの新しい事業のプレゼンテーション。たとえ小さくても個性が光り、これからの展開が非常に楽しみな内容ばかりでした。

若い世代が希望と情熱をもって植えた木や花は、今後どんな森を築いていくのでしょう。

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